こんにちは、里絵です (*Ü*)ノ
世の中は本調子ではないですが、こちらの映画館は開館していました。
知る人ぞ知る、ミニシアター。
そう、岩波ホール。
有名映画は上映せず、世界の名作映画を上映しています。
こういう映画館、素敵ですよね (*´▽`*)❀
館内にスクリーンは1つのみ。
2021年4月3日(土)〜2021年5月21日(金)まで上映している
『ブータン山の教室』を観に行ってきました。
前回のチベット映画の時にポスターにいるキラッキラした目の女の子を見て、観にいくことを決めていました。
前売り券も買って準備万端!
それでは、感想へどうぞ ٩(ˊᗜˋ*)و
この記事は映画『ブータン山の教室』のネタバレを含んでいます。
目次
映画『ブータン山の教室』のあらすじ
教員をする気がなく、オーストラリアに行ってミュージシャンになりたい主人公のウゲン。
やる気のないウゲンを教官は呼び出し、ブータンの僻地にある「ルナナ」へ行って教員をしてくるようにと伝える。
標高4800mの大自然の中でヤクと共に暮らす村人たち。
子どもたちは教員が来ることを楽しみに待っていました。
勉強したいまっすぐな子どもたちと触れ合い、少しずつやる気になるウゲン。
授業の内容を工夫したり、ヤクの歌を教わったり、電気もトイレットペーパーもないルナナでの生活に馴染んでいく。
ウゲンの心の変化と、ルナナで暮らす人々の心の美しさが際立ち、自分の居場所を探していく映画です。
ブータン王国 基礎知識(参照:外務省HP)
地域:南アジア。北は中国、東西南はインドと国境を接する国。
面積:約3.8万平方km(九州とほぼ同じ)
人口:約77.2万人(2020年データ)
首都:ティンプー(Thimphu)
民族:チベット系8割、ネパール系2割
インターネットとテレビが解禁されたのは、1999年。
“幸せな国 ブータン”と呼ばれている。
映画『ブータン山の教室』の登場人物・キャスト
ブータンにはプロの俳優がいません。
全員が俳優デビュー作品。
登場人物と同じような生活をしている人を選んだそうです。
共通していることは、ウゲン・ミチェン・セデュは3人ともシンガー。
子どものペン・ザムも将来シンガーを目指している。
ウゲン(シェラップ・ドルジ)
主人公のウゲン。
ブータン人。(ルナナ出身ではない)
ドルジ本人も主人公ウゲンのように、オーディションのときにはオーストラリアで音楽のキャリアを追求しようとビザを待っているところだったそうです。
ブータンの若者は外国に行きたがる傾向があり、その若者代表として描かれているのがウゲン。
バスの中ではずっと音楽を聴き、ミチェンと合流した初めての食事中もずっと携帯を操作し、ルナナへ向かう山道でもヘッドフォンを外さない。
ブータンの文化や伝統を拒否するシーンも。
そんな彼が少しずつブータンの文化を受け入れていく姿が見所です。
ミチェン(ウゲン・ノルブ・ヘンドゥップ)
ウゲンをルナナへ案内し、ルナナでのウゲンの生活を気にかけるミチェン。
ブータン人。(ルナナ出身ではない)
元々はウゲン役のオーディションに参加していたが、彼の演技を気に入った監督が特別にミチェン役を後から作りました。
「ブータン人としての存在感が素晴らしい」と監督が絶賛しています。
ブータンの文化や伝統を大切にする生粋のブータン人はこんな人なんだろうな〜と思いながら観るとまた面白い。
同じ若者でもウゲンとミチェンは対局のタイプであることが、山道を歩く時の靴のシーンでよくわかります。
セデュ: ケルドン・ハモ・グルン
村1番の「ヤクに捧げる歌」の歌い手、セデュ。
ブータン人。(ルナナ出身ではない)
ロイヤル・ティンプー・カレッジ在学中。
1年間休学をして撮影に参加。
多くの歌をプロデュースしている彼女が壮大な景色を前に歌います。
その後ろ姿はとても美しいです。
気持ちの良い澄んだ歌声が情景にもぴったり。
ヤクの歌は実際にブータンで広く知られている伝統歌であり、歌詞にはブータン人の生活、人生、そのすべてが詰まっています。
ウゲンはセデュにこの歌を教わります。
外国に行きたいウゲンと、このままルナナでずっと暮らしたいセデュの対比が描かれています。
ペム・ザム(ペン・ザム)
ルナナで暮らしている9歳の女の子。
ブータン人。(ルナナ出身)
学級委員のペン・ザムは役では家庭が崩壊していると出ていますが、実際のペン・ザムの家庭も崩壊していて、祖母と暮らしている。
目がキラッキラしていて、発言や行動の一つひとつがとにかく可愛い。
人生で一度もルナナを出たことがない。
英語の勉強でCをCarとウゲンが説明したとき、子どもたちは誰もCarのことを知らなかった。
ペン・ザムはいつの日かルナナの山々を越えて車に乗ることを夢見るようになったのは、これがきっかけだったのかもしれない。
映画『ブータン山の教室』の感想
標高4800mの地にあるブータン北部の村「ルナナ」で撮影した作品。
富士山よりも高いところで日々暮らすというのは、どんな感じなのでしょうか?
高地でも作物って育つんだな〜と思いながら見ていました。
自然の雄大さと、ペン・ザムの目のキラッキラを観るだけで、心が洗われます。
私も友人も感動の涙がポロポロ(⸝⸝⸝ᵒ̴̶̷̥́ ⌑ ᵒ̴̶̷̣̥̀⸝⸝⸝)
友人のマスクは涙の跡がシミになっていたので、泣く時はご注意くださいね!
目がキラッキラしている人って、私も含め残念ながら日本にはほとんどいないと思うんです。
スリランカのバスで隣に座っていた、歯が抜けているおじさんも、目がキラッキラしていたことを思い出しました。
なにが違うのでしょうか?
ペン・ザムは仕草や発言も可愛い (*´▽`*)❀
ちょこちょこって走る姿も可愛い (*´▽`*)❀
とにかくなんでも可愛い (*´▽`*)❀
宣伝ポスターに映る彼女に惹かれてこの映画を観ようと思って、大正解!!
ルナナはブータンの僻地にあるので、バスと登山を合わせて街から8日もかかります (゚Д゚;)
ルナナには電気が通っていません。まぁそうですよね。
今回の撮影では65頭の馬で4台の太陽電池を運び、さらに35人の撮影スタッフが現地で寝泊まりできるように食料も全部運んだそうです。
その苦労があったからこそ、知ることができた世界。
ペン・ザムは、人生で一度もルナナを出たことがないので、電気やインターネットに触れるのは今回が初めての経験。
いつの日かルナナの山々を越え、車に乗るのを夢見ています。
自然の中で暮らす映像がどれも美しく、「豊かさってなんだろう?」と言うメッセージが込められているように感じました。
海外を旅して思うのは、ある程度のお金を出すとどこの国にいても一緒!と言う現象が起きます。
例えば、
インドでは一般的な宿(1泊1000円前後)にも5つ星ホテル(と言っても1人3600円)にも泊まりました。
私は一般的な宿の方が泊まっていて楽しかったです。
宿の方と仲良くなれますし、その国の特徴というかスタイルがわかります。
5つ星ホテルになると綺麗すぎるし、サービスも良すぎるので、インドらしさがないんですよね。
ある一定レベルに合わせられてしまうと、その国の独自性が失われます (._.`)
コーヒーを例にしても、
どこの国でもス○バのコーヒーはあるけれど、その国にしかない現地の人が飲むコーヒーってありますよね。
またインドの話になりますが、インドではコーヒーはほとんど飲みません。
現地の人はチャイを飲み、値段は10ルピー(15円)です。
世界の距離が縮まったことが嬉しい反面、どこに行っても同じ体験ができるように単一化していくことは違うような気がします。
自国の文化や伝統を見直すタイミングなのかもしれないと、ブータンの姿を見ながら感じました。
2021年5月19日にリニューアルオープンした西武園ゆうえんちは、新たに昭和の活気を感じられる商店街を作りました。
1960年代の世界観になっているそうです。
いまの日本にはないけれど、かつてあった日本。面白そうですね (*´∇`*)
私が行ってみたい!!と思う場所は、その土地の暮らしや人々との交流を体験できるところ。
そう言った点では、ルナナにはここでしか体験できない暮らしや人々の笑顔に溢れていました。
『ブータン山の教室』は主人公と登場人物を対極に描くことで、幸せの国 ブータンと言われているけれども課題もあることを表現していました。
外国に憧れる現代っ子ウゲンとブータンの文化や伝統を大切にする生粋のブータン人ミチェン
外国で歌うことを夢見るウゲンとブータンの伝統歌を故郷で歌い続けるセデュ
歌手になろうとしているウゲンと歌手になりたいペン・ザム
ウゲンがルナナを後にし、ストーリーの舞台はオーストラリアへ。
ルナナでは「先生」と呼ばれて大歓迎されたのに対し、オーストラリアでは誰からも見向きもされずに黙々と歌うウゲン。
一旦演奏をやめ、その後アカペラで歌ったのがあの「ヤクに捧げる歌」
自分の居場所に気づいたんでしょうね!
この終わり方、よかったな〜。
世界一幸せな国・ブータン
行ってみたい国がまた増えました ٩(ˊᗜˋ*)و
最後に
ペン・ザムのキラッキラした目と可愛い仕草は、何度も見たいです。
とにかく可愛い。
綺麗な涙が頬を伝い、景色も人も含めて「地球」って美しいところだな〜と感動しました。
ルナナは行きたいと手を上げれば行けるところなのでしょうか (・・;)?
外の世界に目を向けるのもいいですが、今いるところで自分の居場所は見つけられるんでしょうね!
自分の居場所、見つけていますか?