こんにちは、里絵です (*Ü*)ノ
村上春樹さんの熱狂的なファンのことを "ハルキスト" って呼ぶんですね!
私は少しハルキストです \(*ˊᗜˋ*)/
2021年に入り村上春樹さんの本を手当たり次第読んでみたら、すごく面白くて (⁎˃ᴗ˂⁎)
全作品を読みたい!!
こんな風に思ったのは、手塚治虫さんの漫画以来でしょうか。
火の鳥・ブッタ・ブラックジャックは普段漫画を読まない私もドハマりしました。
特に、火の鳥を読むと手塚治虫さんの見ている世界がわかります。
手塚治虫さん、何者なのでしょうか ∑(๑º口º๑)!!
違う星から来たような...
村上春樹さんの話に戻しましょう。
全部読んでみたいと思った矢先に知ったのが、鼠三部作。
鼠三部作は出版初期のシリーズです。
それならば、出版した順に読んでいこうと思いました。
月日とともに村上春樹さんの文体は果たして変わるのでしょうか...??
下記の本を読んだ上で、改めて出版順の読書スタートです ٩(ˊᗜˋ*)و
- バースデイ・ガール
- 図書館奇譚
- パン屋を襲う
- ねむり
- 走ることについて語るときに僕の語ること
- 職業としての小説家
- ラオスにいったい何があるというんですか?
- ノルウェイの森
- 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
- アフターダーク
何度も読みたくなるのが『風の歌を聴け』
小説の長さがちょうどいい。
上下巻シリーズは読み応えがあって好きですが、何日かに分けてじっくり読んでいきます。
その点『風の歌を聴け』は数時間で読み終わります。
このぐらい気軽な小説もいいですね。
それでは、感想へどうぞ ٩(ˊᗜˋ*)و
参考情報
『風の歌を聴け』
群像新人賞受賞
出版社:講談社文庫
単行本発売日:1979/01
文庫:160ページ
著者当時の年齢:30歳
映画もあるんですね!!
セリフの言い回しが気になるので、観てみたいな (*ˊᵕˋ*)੭
この記事は講談社文庫『風の歌を聴け』のネタバレを含んでいます。
長編小説『風の歌を聴け』のあらすじ
鼠三部作と言われるシリーズの1番初めの本が「風の歌を聴け」
風の歌を聴け → 1969年のピンボール → 羊をめぐる冒険
この順番で読むことをオススメします。
『風の歌を聴け』では、この三部作に登場する「僕」と「鼠」と「ジェイ」が知り合ったきっかけも書かれています。
小出しにそれぞれのパーソナル情報が出てくるので、今後続くことを考えると頭に留めておくのもポイントです。
『風の歌を聴け』は29歳の「僕」が、21歳の「僕」の出来事を振り返って書かれています。
本文1行目
完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。
深い (*゚▽゚*)
引き込まれた!!
この1文だけでも何度も読み返してしまいました。
ストーリーが始まる前はこう
この話は1970年の8月8日に始まり、同じ年の8月26日に終わる。
時間軸を意識するのもポイントです。
ワープするような時間の流れと歪みが続きます。
そのリズムに乗って読み進めると、あっという間 (*˙0˙*)
『風の歌を聴け』というタイトルの意味を考える上で「火星の井戸」のシーンが重要かもしれない。
ここで唯一、時間の歪みについて触れています。
長編小説『風の歌を聴け』の登場人物・キャスト
今回の主な登場人物は4名。
「僕」と「鼠」と「ジェイ」と「彼女」
その他、デレク・ハートフィールド(架空の作家)も何度も登場します。
発売当時、デレク・ハートフィールドについての問い合わせがきて、図書館の人たちは混乱したそうです。
なんと、Wikipediaにデレク・ハートフィールドの紹介がありました。
長編小説『風の歌を聴け』の感想
表紙のイラストを見ると3つの倉庫があり、左から順に数字が書かれていました。
『 8 2 6 』
なんだろう?と考えて、ハッとしました。
この小説の終わりの日付は8/26 ٩(*˙0˙*)۶
イラスト上部には 『 HAPPY BIRTHDAY AND WHITE CHRISTMAS 』と記載あり。
- 倉庫周辺から彼女の家まで歩いた思い出
- 鼠から毎年届く原稿用紙の1枚目の言葉が『HAPPY BIRTHDAY AND WHITE CHRISTMAS』
29歳の僕が思い出を振り返っている様子が、表紙からも伝わってきました ( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
海に落ちている瓶はなんだろう??
本文では瓶ではなくて缶を飲んでいたような...
社会人を目前として自分の家庭が裕福であることに、我慢ができなくなる鼠。
世間に合わせようと頑張ってみるも、うまくいかない鼠。
本を全く読まないけれど、小説家になろうとする鼠。
1人の青年が大人になっていく過程での葛藤を、「僕」の視点から一緒に覗いているような感覚で読めるのが面白い。
最初の1文は、「僕」と「鼠」と「村上春樹さん」へのメッセージに聞こえました。
どこからともなく「誰か」が言っているような、お知らせのようにふっと。
自殺した学生時代の彼女が言いそうなセリフですね。
この本では年代や日付けが多く登場します。
1回目は特に気にせず読み、2回目は日時をメモしてみました。
時間軸に沿ってストーリーが進まないのは、僕が過去を振り返って書いているからなのでしょうか?
思い出を振り返るとき、記憶が強いものから徐々にそういえば〜と思い出していくことありますよね。
あえて時間軸を整理せず思い出した順に書いているような構成が、シンプルな文章に軽やかなリズムが生まれています。
そして、思い出は時と共に歪んでいくこともありますよね。
本のタイトルの意味は?
読み進めていると、デレク・ハートフィールドが書いた本の紹介が何度も出てきます。
ストーリーのスパイス的な存在。
「火星の井戸」のシーンでは、僕が時の歪みに沿って掘られて井戸から出てきます。
時の間を彷徨っている。時の歪み。
風の存在は、私の心にヒントを与えているだけ。しゃべっているのは君だと言われる。
村上春樹さん自身、何気ない野球観戦中に小説を書くことを決意しました。
処女作であるこの作品は、村上春樹さん自身も投影されているように思います。
あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。
このことを「風」と表現しつつ、「風の存在」と絡めながら、大人になること・生きることを表現しているのではないでしょうか。
リズムある文章に歌の要素を感じました ( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
村上春樹さんの著書は、主人公がユーモアに富んだ発言が多いですよね。
今回も「僕」のユーモアがとてもよかった。
子どもと大人の違いの1つに、ユーモアってあると思うんです。
私もユーモアに富んだ人になりたいものです。
長編小説『風の歌を聴け』を読んだ日
2021年3月頃
2021年5月26日
最後に
村上春樹さんの作品の中でも文章のタッチが軽くて、さらっと読めます。
文章のリズムも登場人物の思考や悩みも若さを感じます。
爽快です (*´▽`*)❀
本文の最初の1行ですべて持っていかれる。
あの1文のあるなしでこの小説のイメージは随分変わることでしょう。
所々に出てくる比喩の使い方もとても綺麗。
文中の車や食事は海外のものばかり。
英語で書いてから翻訳した本なので、日本の車や食事が出てこないのがまた面白い!
難しいことを考えずに読みたい時にオススメします