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『風の歌を聴け / 村上春樹 著』ネタバレ感想

2021年5月30日

こんにちは、里絵です (*Ü*)ノ

村上春樹さんの熱狂的なファンのことを "ハルキスト" って呼ぶんですね!

私は少しハルキストです \(*ˊᗜˋ*)/

 

2021年に入り村上春樹さんの本を手当たり次第読んでみたら、すごく面白くて (⁎˃ᴗ˂⁎)

全作品を読みたい!!

こんな風に思ったのは、手塚治虫さんの漫画以来でしょうか。

火の鳥・ブッタ・ブラックジャックは普段漫画を読まない私もドハマりしました。

特に、火の鳥を読むと手塚治虫さんの見ている世界がわかります。

手塚治虫さん、何者なのでしょうか ∑(๑º口º๑)!!

違う星から来たような...

 

村上春樹さんの話に戻しましょう。

全部読んでみたいと思った矢先に知ったのが、鼠三部作。

鼠三部作は出版初期のシリーズです。

それならば、出版した順に読んでいこうと思いました。

月日とともに村上春樹さんの文体は果たして変わるのでしょうか...??

 

下記の本を読んだ上で、改めて出版順の読書スタートです ٩(ˊᗜˋ*)و

  • バースデイ・ガール
  • 図書館奇譚
  • パン屋を襲う
  • ねむり
  • 走ることについて語るときに僕の語ること
  • 職業としての小説家
  • ラオスにいったい何があるというんですか?
  • ノルウェイの森
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
  • アフターダーク

 

何度も読みたくなるのが『風の歌を聴け』

小説の長さがちょうどいい。

上下巻シリーズは読み応えがあって好きですが、何日かに分けてじっくり読んでいきます。

その点『風の歌を聴け』は数時間で読み終わります。

このぐらい気軽な小説もいいですね。

それでは、感想へどうぞ ٩(ˊᗜˋ*)و

 

参考情報

『風の歌を聴け』
群像新人賞受賞
出版社:講談社文庫
単行本発売日:1979/01
文庫:160ページ
著者当時の年齢:30歳

映画もあるんですね!!

セリフの言い回しが気になるので、観てみたいな (*ˊᵕˋ*)੭

この記事は講談社文庫『風の歌を聴け』のネタバレを含んでいます。

 

長編小説『風の歌を聴け』のあらすじ

鼠三部作と言われるシリーズの1番初めの本が「風の歌を聴け」

風の歌を聴け → 1969年のピンボール → 羊をめぐる冒険

この順番で読むことをオススメします。

 

『風の歌を聴け』では、この三部作に登場する「僕」と「鼠」と「ジェイ」が知り合ったきっかけも書かれています。

小出しにそれぞれのパーソナル情報が出てくるので、今後続くことを考えると頭に留めておくのもポイントです。

 

『風の歌を聴け』は29歳の「僕」が、21歳の「僕」の出来事を振り返って書かれています。

 

本文1行目

完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。

深い (*゚▽゚*)

引き込まれた!!

この1文だけでも何度も読み返してしまいました。

 

ストーリーが始まる前はこう

この話は1970年の8月8日に始まり、同じ年の8月26日に終わる。

時間軸を意識するのもポイントです。

ワープするような時間の流れと歪みが続きます。

そのリズムに乗って読み進めると、あっという間 (*˙0˙*)

 

『風の歌を聴け』というタイトルの意味を考える上で「火星の井戸」のシーンが重要かもしれない。

ここで唯一、時間の歪みについて触れています。

 

長編小説『風の歌を聴け』の登場人物・キャスト

今回の主な登場人物は4名。

「僕」と「鼠」と「ジェイ」と「彼女」

その他、デレク・ハートフィールド(架空の作家)も何度も登場します。

発売当時、デレク・ハートフィールドについての問い合わせがきて、図書館の人たちは混乱したそうです。

なんと、Wikipediaにデレク・ハートフィールドの紹介がありました。

 

長編小説『風の歌を聴け』の感想

表紙のイラストを見ると3つの倉庫があり、左から順に数字が書かれていました。

『 8 2 6 』

なんだろう?と考えて、ハッとしました。

この小説の終わりの日付は8/26 ٩(*˙0˙*)۶

イラスト上部には 『 HAPPY BIRTHDAY AND WHITE CHRISTMAS 』と記載あり。

  • 倉庫周辺から彼女の家まで歩いた思い出
  • 鼠から毎年届く原稿用紙の1枚目の言葉が『HAPPY BIRTHDAY AND WHITE CHRISTMAS』

29歳の僕が思い出を振り返っている様子が、表紙からも伝わってきました ( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

海に落ちている瓶はなんだろう??

本文では瓶ではなくて缶を飲んでいたような...

 

社会人を目前として自分の家庭が裕福であることに、我慢ができなくなる鼠。

世間に合わせようと頑張ってみるも、うまくいかない鼠。

本を全く読まないけれど、小説家になろうとする鼠。

1人の青年が大人になっていく過程での葛藤を、「僕」の視点から一緒に覗いているような感覚で読めるのが面白い。

 

最初の1文は、「僕」と「鼠」と「村上春樹さん」へのメッセージに聞こえました。

どこからともなく「誰か」が言っているような、お知らせのようにふっと。

自殺した学生時代の彼女が言いそうなセリフですね。

 

この本では年代や日付けが多く登場します。

1回目は特に気にせず読み、2回目は日時をメモしてみました。

時間軸に沿ってストーリーが進まないのは、僕が過去を振り返って書いているからなのでしょうか?

思い出を振り返るとき、記憶が強いものから徐々にそういえば〜と思い出していくことありますよね。

あえて時間軸を整理せず思い出した順に書いているような構成が、シンプルな文章に軽やかなリズムが生まれています。

そして、思い出は時と共に歪んでいくこともありますよね。

 

本のタイトルの意味は?

読み進めていると、デレク・ハートフィールドが書いた本の紹介が何度も出てきます。

ストーリーのスパイス的な存在。

「火星の井戸」のシーンでは、僕が時の歪みに沿って掘られて井戸から出てきます。

時の間を彷徨っている。時の歪み。

風の存在は、私の心にヒントを与えているだけ。しゃべっているのは君だと言われる。

 

村上春樹さん自身、何気ない野球観戦中に小説を書くことを決意しました。

処女作であるこの作品は、村上春樹さん自身も投影されているように思います。

 

あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。

このことを「風」と表現しつつ、「風の存在」と絡めながら、大人になること・生きることを表現しているのではないでしょうか。

リズムある文章に歌の要素を感じました ( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

 

村上春樹さんの著書は、主人公がユーモアに富んだ発言が多いですよね。

今回も「僕」のユーモアがとてもよかった。

子どもと大人の違いの1つに、ユーモアってあると思うんです。

私もユーモアに富んだ人になりたいものです。

 

長編小説『風の歌を聴け』を読んだ日

2021年3月頃

2021年5月26日

 

最後に

村上春樹さんの作品の中でも文章のタッチが軽くて、さらっと読めます。

文章のリズムも登場人物の思考や悩みも若さを感じます。

爽快です (*´▽`*)❀

本文の最初の1行ですべて持っていかれる。

あの1文のあるなしでこの小説のイメージは随分変わることでしょう。

所々に出てくる比喩の使い方もとても綺麗。

文中の車や食事は海外のものばかり。

英語で書いてから翻訳した本なので、日本の車や食事が出てこないのがまた面白い!

 

難しいことを考えずに読みたい時にオススメします

 

  • この記事を書いた人

リエ

30代独身女性。埼玉出身。2021年11月沖縄移住。目指すはやんばるの2000坪の土地で芸術を楽しみながら自給自足暮らしをすること。ヤギ・鶏・犬・猫も一緒に、女性と子どもたちが集う空間を作りたい。自分でできることを増やし、心は穏やかに、可愛いさと逞しさを兼ね備えて生きていきたい。趣味は米粉を使ったお菓子・パン作り。やさしい人と畑と海の中が好き♡

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